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true miracle

 

連日、胃がキリキリする日々を送っています。

 

1月10日にタイゾーを病院に連れて行って以来、約1週間。その時に、いつものように皮下点滴と抗生剤とビタミン剤の注射を打っていただきましたが、以前のようには元気が出ず、もう末期なのだなと覚悟してこの1週間を過ごしてきました。その間に、もちろんお店の営業はありますし、14日(金)は久しぶりに「タンゴ&ジャズライブ」をオミクロン株が急増している最中ではありましたが、人数制限をし、感染予防対策も取りつつ、開催しました。

 

最近は、建物の中で寝ることの多かったタイゾーですが、ここ2‐3日は夜になると外に出たがり、元々野良生活をしていた子なので、もう本人の意思を尊重しようとお外に出してやっていました。ただ昨日は夜から雨模様と聞いていたし、冷えてくるだろうと思っていましたので、そんな中で過ごさせたくはなかったのですが、やはり、頑として外に行きたがったのです。でもすんなり2号館に入っていき、ちょっと安心。もうさすがに徘徊する体力も気力もなかろうと、「お願いだから、今日はもう動かないでね」と言い残して、帰宅しました。

 

今日は第3日曜日。お店も営業日でもありますが、通常より早く出勤し、タイゾーを確認。2号館もその横に設置していたカタツムリのおうちも空でした・・・。その覚悟もしてはいましたが、嗚呼、とうとうその日が来てしまった。周囲を探しましたが、見つけることができません。タイゾーと過ごした日々が思い出され、歩きながら涙が溢れてしかたがありません。先週から始まった菅田将暉さん主演の某ドラマの中のある場面で菅田さんが「その子(猫さん)は貴女のことが大好きだったんですよ。だから貴女に最期の姿を見せたくなくて、姿を消したんだと思います。それは猫のプライドです」的なことを言ったときに、タイゾーのことを思って泣きました。ここ数日夜、外に出たがるのはそういうことなのかもしれない。動物は死期を悟ると姿を消すというのは、よく言われることだし、私も経験しています。

ただタイゾーは本当に誰の目から見ても私のことが大好きだったし、ほかの猫以上に優しい猫さんでした。それに私史上、最も人懐っこい猫さんでした。誰にでもお腹を見せてゴロンする猫。お店のお客様のお見送りをする猫。近所の保育園の園児たちにも大人気のタイゾーでした。そんな優しい子だから、菅田さんのあのセリフが余計に心に沁みました。

 

店に戻っても、何度も外の2号館を覗き、確認しましたが、昨夜から今朝の冷たい雨の中、もう精魂尽き果てても不思議ではありません。しばらくして夫もやってきて、再度近所を探し回る。おらんね・・・。

 

夕方になって、ウロチョロし始めたミルキーにごはんをあげ、「ミルキー、また一人になったね。タイゾーとはよくケンカしてたけど、いないと寂しいね」いろんな思いが頭をよぎりますが、今日は早めに店を閉めて帰ろう。

 

もう一度だけ、2号館を確認。ん・・・?何かいる?

半分閉じてる入口の扉を持ち上げる。

これを奇跡と呼ばずして何と呼ぶ?

タイゾー・・・・

タイゾーが帰ってきた・・・。震える手で一旦帰宅した夫に電話。「(猫ちゃんたちの)お父さん!奇跡起こった!!!タイゾーがいる!早く来て!」

夫を待つ間、またいなくなったらいけないので、2号館の前で待つ。タイゾー、ほんとによく帰ってきたね。あんたって子は・・・。今度はうれし涙が溢れてきてどうしようもありません。そうしたら、タイゾーが2号館から出てきて、その姿を見たら、また涙。前足も後ろ足もびしょ濡れじゃないの!すぐに店の中に入れ、タオルで拭いて、カタツムリのおうちを持ってくると、安心したように中にゆっくりと入っていきました。

見えないけど、中にいます。

 

何という一日だったのでしょう。今日一日、この短い時間にいろんな思いが押し寄せ、タイゾーがいなくなっていた間は自分を納得させるように、最後の記憶がタイゾーが動いている姿で良かったのかな・・・と思っていましたが、ヨレヨレでもここに帰ってきた姿を見ると、やっぱりこの子はおうちが良かったんだ。最期の場所を私の元と選んでくれたことが嬉しく、タイゾーとの深い縁を感じずにはいられません。

ほんとにありがとう、タイゾー。今日はずっと一緒にいるからね。